CBDオイルの吸引方法や安全性を徹底解説 !  

CBDオイルとは

CBDは、カンナビジオールの略称で、カンナビス(大麻草)に含まれる、カンナビジオールの一つです。カンナビジオールは、カンナビス植物に含まれる生理活性のある化合物の総称です。向精神性のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)のほかに、カンナビゲール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、およびカンナビトラン(CBT)など、多数が知られており、まだ、同定されていないものも含めると、その数は100種類以上にのぼるとも言われています。

カンナビジオールの、生理活性はさまざまな症状の治療に効果があることが明らかにされており、その中でも、CBDはてんかん、癌、うつ病、不安、精神病性障害、慢性の痛み、糖尿病など多くの症状の治療に役立つ成分として注目されるようになりました。また、CBDはTHCと違い、向精神性がないため、日本をはじめとする多くの国で合法です。

CBDオイルは、カンナビス植物のうち、スカンジナビア系統などの、CBDを多く含みTHCをほとんど含まない系統から、主に超臨界二酸化炭素抽出法により抽出されます。超臨界二酸化炭素抽出法は、溶媒を使わずに非加熱で抽出できため、CBDオイルには、CBDだけでなく、オシメンやテルピノレンなどのテルペン類や、不飽和脂肪酸脂溶性ビタミンなどが含まれています。
CBDオイルの摂取方法としては、液体のオイルを口から摂取するのが最も手軽で、一般的な方法でしょう。しかし、CBDオイルの摂取方法は、液体のオイルの経口摂取以外にも、錠剤やカプセルを服用する方法、舌下で吸収する方法、スプレー、外用クリーム、座薬など、さまざまな方法があります。ここでは、CBDを吸引する方法についてまとめました。

どうやって吸引するの?ヴェポライザーとは?

電気などの熱により、専用のCBDオイルを約200℃程度まで加熱し、気化させた(蒸気にした)蒸気を吸引します。

CBDオイルを気化させるためには、ヴェポライザーという装置を用います。ヴェポライザーには、大きく分けると、携帯できて手軽に利用できるペンタイプのものと、気化の効率が良く、故障もしにくいデスクトップタイプの2種類があります。値段は、数千円から数万円くらいとさまざまですが、一般的にペンタイプの方がデスクトップタイプよりも、値段も安く手軽に試すことが出来ます。

ペンタイプのヴェポライザーは、CBDオイルを含むリキッドを入れるアトマイザーと、リキッドを加熱するためのバッテリーとから構成されています。細かい仕組みや使い方はメーカーにより異なりますが、基本的な使い方は、アトマイザーの部分にリキッドを入れて、スイッチを入れて加熱します。

加熱されて十分な蒸気が発生したら、吸入口から蒸気を吸引します。肺の毛細血管からCBDの成分を吸収するために、蒸気を吸引したら、すぐに吐き出さず、しばらくの間肺に蒸気をとどめておくと吸収の効率が良くなります。

吸引は喫煙とはどう違うの?

吸引は、成分を気化させて蒸気にしたものを吸いますが、喫煙は燃焼させて発生した煙を吸います。どちらも、成分を高温で加熱しますが、燃焼の方が加熱温度が高く、成分が酸素と結合(酸化)し、化学反応を起こして別の化合物になります。

燃焼で発生したタールや一酸化炭素などの化学物質の多くは、発がん性があるものや体にとって有害なものであることが知られています。一方、ヴェポライザーを用いた吸引の場合は、加熱された成分は、液体の状態から気体の状態に変化するだけで、化学的な変化は燃焼に比べるとはるかに少なくなります。そのため、タールなどの有害物質のリスクはほとんどありません。

電子タバコとは?

電子タバコとは、「タバコ型の吸入器によってタバコやミント、フルーツなどの味・香りをつけた水蒸気を吸引するものである。」(コトバンク、知恵蔵;と、定義されています。

したがって、CBDの吸引も広い意味では、電子タバコということになります。前述のように、吸引(電子タバコ)は喫煙に比べて、健康に対する悪影響が少ないことが知られています。

しかし、電子タバコのリキッドにはニコチンを含むものがあり、また、液体ではなく、タバコの葉を加熱して成分を気化させる場合もあり、これらに関しては、ニコチンが体に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

CBDリキッドとは?

一般に市販されている、飲用のCBDオイルをヴェポライザーで気化して吸引することも不可能ではありません。しかし、純粋なCBDオイルは、粘度が高くべポライザーが詰まる原因となるため、ヴェポライザーでの使用はおすすめできません。また、値段も高い上に、吸引した際の味もよくありません。そのため、一般的に、ヴェポライザーにはヴェイピング専用の、CBDを含むリキッドを使用します。

CBDリキッドには、CBDを気化しやすくするためのベースオイルとして、PG(プロピレングリコール)、VG(植物性グリセリン)、PEG(ポリエチレングリコール)、ココナッツオイルなどが用いられています。

吸引は体に害はないの?

CBDは、さまざまな症状の改善に効果がありますが、ヴェポライザーに使われるリキッドに含まれる、他の成分は体に悪影響はないのでしょうか。
CBDリキッドに含まれるベースオイルのうち、代表的なプロピレングリコールと植物グリセリンの2つについて少し説明をしましょう。

プロピレングリコールは、アルコールの一種で、保湿性が高く、殺菌効果があります。そのため、シャンプーやリンス、化粧品、医薬品、食品添加物などに幅広く利用されています。動物を用いた毒性試験では、低用量では急性毒性は見られず、また発がん性がないことが示されています(日本化学物質安全・情報センター;jetoc.or.jp/safe/doc/J57-55-6.pdf)。

また、約70年にわたり、化粧品などとして日常的に用いられてきましたが、特に、健康への悪影響は報告されておらず、現時点では安全であると考えられています。

オリーブオイルやパーム油などから抽出される植物グリセリンも、目薬や、利尿薬などの医薬品や、化粧水、保湿クリームなどの化粧品などに用いられています。動物実験の結果、植物グリセリンについても、低用量では急性毒性および発がん性がないことも、確認されています(昭和化学株式会社のデータ)。

しかしながら、これらの動物実験は、加熱されていないプロピレングリコール、またはグリセリンを用いて行われているため、長期間吸引に用いた際の健康への影響を懸念する声もあります。特に品質の悪い製品の場合は、リキッドに含まれる不純物の影響も懸念されるため、CBDリキッドは、信頼できるメーカーの品質の良い製品を用いることが大切です。

吸引のメリット・デメリット?

CBDの経口摂取と比較して、吸引することの一番大きなメリットは、吸引の場合は肺の毛細血管から直接CBDを吸収するため、効果が早く表れるということでしょう。そのため、今感じている痛みを早く和らげたい、とか、不安を取り除きたいなどといった場合には、吸引が最も効果的な方法になります。

また、摂取したCBDが吸収されて利用される割合を示すバイオアベイラビリティも高いため、コストパフォーマンスも優れています。

もう一つのメリットとして、CBDオイルは独特の味がするため、人によってはその匂いのために大変飲みにくく感じる場合がありますが、そのような場合でも嫌な味を気にせずに利用できます。

一方、吸引のデメリットとしては、吸引に必要なヴェポライザーを用意しなければならないという点でしょう。また、購入後も、アトマイザー部分を定期的に掃除したり、バッテリーの充電をしたりなど、メンテナンスも必要になります。